MOUSE

ハツカネズミ
House mouse
Mus musculus

マウスの飼い方


  1. 用意する物

    丈夫なケージ、床材、水入れ等

  2. 準備

    ケージに床材を敷き、水入れをセットすれば完了。

  3. 導入

    ケージの大きさにもよりますが、オス1匹に対し、メス3-4匹もいればどんどん増えます。但し、性的に成熟している事、妊娠する、させる能力のあるマウスである事が大事です。相性などは特に無いように思いますが、オスは複数いると必ず喧嘩します。(後述)

  4. 雑食なので何でも良く食べますが、どちらかというと穀物の嗜好性が高いみたいです。一番良いと思うのは、実験用マウス・ラット用にペレットが売られています。栄養的、堅さ的、保存性、価格など、考えられる殆どの点において優れています。基本的に専用餌の単食でも一生飼育出来ると思います。

    授乳中のマウスが居る場合は少し多めに与えるようにしています。餌が不足すると仔食い、共食いが始まります。気を付けましょう♪

  5. 飲み水

    常に綺麗な水を与えてください。

    小動物用に給水ボトルが売られていますが、ケージの外から金属の口金だけ差し込むタイプならば問題無いですが、ボトルごとケージ内に設置するタイプだと齧って穴を開けられます。家では2つ壊されてから底面が安定している器であげています。

    授乳中のマウスが居る場合は水を切らさないようにしましょう。長時間水を切らすと仔食いします。

    また、良く水を飲むので、マウスの数が多くなると常に給水ボトルの先に付いているステンレスの球がカチャカチャ鳴っている状態になるので、煩わしいかもしれません。便利ですけどね。(汗)

  6. おやつ

    無理して与える必要は無いと思いますが、たまに与えると物凄い反応があります。家ではひまわりの種、ヨーグルト、チーズ、ビスケット、パン、野菜、果物などを気が向いた時に少量与えるようにしていますが、与えてはいけない物もありますし、前述のおやつも与え過ぎは禁物です。

    可愛いからといって決してチョコレートなど与えないようにしましょう。中毒するらしいです。

    野菜・果物はビタミンCの補給と考えています。ネズミも人間と似ていて、体内でビタミンCを合成出来ないらしいです。

  7. 床材

    これは蛇を飼育するのと一緒で、人により様々だと思います。家では以前パインチップを使っていましたが物凄い使うので、今では新聞紙をシュレッダーにかけた物を使用しています。チモシー等を使った事もありますが、高くつくので勿体無いのと、使うメリットが感じられないので止めました。間違ってもペットシーツを使うのは止めましょう。ボロボロにされますし、中の吸水材を飲み込まれて事故になるかも知れません。餌にするマウスなので、ゆくゆくは蛇に与える事になりますしね。

  8. 巣箱

    これはあっても良いと思いますが、あっと云う間に壊されます。家でも幾つか試しましたが、今では小さな焼き網を買って来て足を取り、コの字型に折り曲げて使っています。丈夫で良いです。

    小鳥用の木の巣箱や、雛の為の藁で編んだ壷巣(?)も試しましたが、ドチラもボロボロになりました。壷巣に至っては1日と持ちません。

  9. 発情期

    オスは発情すると手当たり次第メスに猛烈にアタックをします。他のオスと喧嘩になったりもします。また、子育てを一緒にするオスがいるらしいのですが、家では一度ファジーを全滅させられた事もあります。繁殖させる為以外はオスメス別けて飼育した方が良いようです。

    メスは3-4日周期で発情するそうです。また、出産直前にも発情し、この頃にオスと一緒にしておくと後追い妊娠するそうです。家では妊娠が確実と解るとすぐに別けてしまい、メスが子育てを終えて暫く経つまでは一緒にしないので後追い妊娠はさせた事がありません。母体にも負担が掛かるでしょうから、暫くは休ませてあげるのが良いと思います。

  10. 妊娠

    交尾を終えるとメスの膣に栓が出来ます。膣栓やプラグと云われている固まったシリコンのような物です。これは、文字通り栓になっていて、所謂貞操帯みたいな物です。妊娠期間は凡そ20日前後です。妊娠したメスは出産が近くなってくると大福みたいになり、床材を穿って巣を作ろうとします。寝ている出産間近のマウスを見ていると、お腹がボコボコになっており、時折胎児が動くのが確認出来ます。

  11. 出産

    出産はどの時間帯にも行われます。大抵小一時間で完了します。産まれて来る仔は胎盤が付いていて、羊膜に包まれて出てきます。1匹産まれると母親や他のマウスが綺麗に羊膜と胎盤を食べに来ます。産まれてきた仔ネズミの最初の難関がここで、食殺が一番多い時です。仔ネズミが汚れているといつまでも舐めているのですが、その時に他のマウスと奪い合いになったり、少しでも傷がついて出血したりするとまず食べられます。可哀想ですが、そのままにしておくのが良いと思います。

    産まれて来る仔の数は大抵10匹前後です。家での1回の出産で一番多かったのが15匹、少なくて6匹程度だと記憶しています。マウスの系統によって多少違うと思います。また、近親交配を続けても畸形は滅多に産まれないようです。家では今まで見た目で解る畸形(体の一部の欠損等)個体は見た事が無いです。

  12. 子育て

    順調に1日目が過ぎれば、後は高確率で育ってくれます。産まれたばかりの仔ネズミは目も耳も指もありません。ぱっと見た感じお乳を飲む口だけです。やがて耳が立ち、耳の穴ができ、髭が生え、爪が生え、指ができ、尻尾が伸び、メスはお乳ができ、体に毛が生えてきます。目が開くのが一番最後です。目が開く頃には親が食べている餌を齧るようになります。この頃にはファジーマウスになっています。

    目が開いて2-3日すると激しく動き回るようになります。所謂ホッパーマウスです。この頃のマウスが一番捕獲し辛いです。手にも慣れていないので逃げようとします。動く時は常に全力です。逃げられ無いように気を付けましょう。この頃になると、そろそろ乳離れする仔が出てきます。ココまで約3週間程度でしょうか。

    更に成長すると、オスはちんたま袋が目立つようになってきます。4週間程度経つとSマウスの出来あがりです。

  13. 雌雄判別

    大きくなればオスはちんたま袋が目立つようになるので、雌雄判別は簡単なのですが、小さい時に判別したいのであれば、生後7日目程度でメスには乳首の痕跡が認められる様になるので、それで判断して下さい。この時期を逃すと出来ない事はありませんが、毛が生え揃うとオスのちんたま袋が出来あがるまで雌雄判別は困難になります。

  14. 多頭飼い

    メス同士での争いは餌の引っ張りっこをする程度ですが、オスがいると発情期の項目でも書きましたが、かなり激しい喧嘩をします。ちんたま袋やお尻のに咬み付くので、やられているマウスは袋が破けたり、お尻が禿げあがったりします。滅多にありませんが、殺し合いになる場合もあります。

    オスメスを一緒に飼育していると、あっという間に増殖します。計画的に繁殖させる事をお勧めします。

  15. 掃除

    マウス飼育で一番困るのがおしっこの臭いだと思います。マウスはトイレを覚えません。ただ、ケージの隅でおしっこをするという性質がありますが、うんちはどこでもします。出来るだけこまめに掃除をしないと大変な事になります。

  16. 最後に

    色々書きましたが、飼育自体はとても簡単です。子育ても母ネズミや他のメスがとても良くやってくれます。小さい内は手を怖がったりしますが、少し大きくなると良く馴れるようになります。餌にし辛くなりますが・・・。